テーマ:「六爻占術2002.01─六爻占術授業」
書き込み期間:2001/011/15〜2002/01/14
目次
○五行
○十干
○十二支
○世爻、応爻、用神
○原神、忌神、仇神
○動爻と静爻、飛神と伏神
○六親と六神
○コインの投げ方
○卦ができるまでの手順
○実際の占い
五行

「五行の相生相剋とは、古代の人が長期にわたって自然現象を観察して、五行の考えで編みだした物質の間の生成と制御の規律です。易の占いが、これらの五行の相生相剋の原理によって吉凶のゆくてを判断するのです。」

「水は木を生じ、木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じる。」
 理由は「木性に属する草花や木は水がなければ生えることができなく、水のおかげで生長していくことから水は木を生じ」「木性に属する木は燃えて火になるから、木は火を生じ」「火は燃えきると土のような灰になることから、火は土を生じ」「金属を作る鉱石などが土の中から取り出されたことから、土は金を生じ」「金属は溶けて水のような液体となる、あるいは金属の表面に雫が付きやすいことから、金は水を生じる」と考えられたのです。

「水は火に剋ち、火は金に剋ち、金は木に剋ち、木は土に剋ち、土は水に剋つ。」
 理由は「水は火を消すことから水は火に剋ち」「火は金属を溶かすから火は金に剋ち」「金属は木を打ち倒すことから金は木に剋ち」「木は土を破って根を張ることから木は土に剋ち」「土は水の流れ2?を堰き止めることから土は水に剋つ」です。

十干

干支とコイン占い
 殷代の甲骨文字の時代から、中国では六十甲子とよばれたものを使って、年・月・日などを記録してきました。
 この六十甲子は不思議な力をもち、時空の概念がはいってスペースパワーを物語る符合だと解釈され、易の変遷と発展を大いに推進しただけでなく、後世の各学術にも重要な影響を与えました。
 たとえばこんにちの漢方医によく使われている子午流注針炙法や神亀八法などが、毎日の天干と病人の来る時間の干支によって、つぼを決めて治療するというのです。
 コイン占いは干支を離れては成立できなく、いいかえれば、干支がなければ歴史上にコイン占いは生まれなかったのです。

 十干とは、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の十種をいい、その排列順序が以上のように固定され、万物の生死循環の規律を示したもので、天干ともよばれています。
 十干を五行の発想で五つのグループに分けることになっています。すなわち、甲と乙は木性に属し、丙と丁は火性に属し、戊と己は土性に属し、庚と辛は金性に属し、壬と癸は水性に属します。

十二支

 十二支とは、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の十二種をいい、コイン占いに不可欠のものですので、その属性や相互の関係をよく覚えてください。十二支は地支ともよばれます。

十二支と動物の対応・・子は鼠、丑は牛、寅は虎、卯は兔、辰は竜、巳は蛇、午は馬、未は羊、申は猿、酉は鳥、戌は犬、亥は猪です。

十二支と月の対応・・丑を1月、寅を2月、卯を3月、辰を4月、巳を5月、午を6月、未を7月、申を8月、酉を9月、戌を10月、亥を11月、子を12月に当てます。

十二支と時刻の対応・・子の刻は23時から1時まで、丑は1時から3時まで、寅は3時から5時まで、卯は5時から7時まで、辰は7時から9時まで、巳は9時から11時まで、午は11時から13時まで、未は13時から15時まで、申は15時から17時まで、酉は17時から19時まで、戌は19時から21時まで、亥は21時から23時までです。

十二支と五行の対応・・寅と卯は木性に属し、巳と午は火性に属し、申と酉は金性に属し、亥と子は水性に属し、辰と戌と丑と未は土性に属す。

十二支と方角の対応・・子は北、丑と寅は東北、卯は東、辰と巳は東南、午は南、未と申は西南、酉は西、戌と亥は北西です。
 以上のように時間と場所は十二支に対応して、最終的には五行になります。
 その生剋関係から、自分にとってどの月が良いか、どの時間が良いか、どの方向が良いか・・などに使えます。

世爻、応爻、用神

世爻は自分、応爻は相手、用神は占う対象のことです。

世爻と応爻の役割
 世爻は卦の中心点で、卦の魂にたとえられています。自分自身の運、健康、味方の吉凶などを占いで判断する場合、世爻を用神として、世爻が自分自身を意味します。用神を助ける六親(妻財とか官鬼のこと)が世爻に臨んでいればよいのですが、不利な六親が臨んでいれば不吉です。
 応爻は、世爻に相対する人や場所、事がらを意味します。商売や恋愛の相手、対立する敵、旅行などの目的地、あるいはあまり知らない人を占うとき、応爻を用神とします。
 あらゆる占いをするとき、世爻にある六親が用神に対する作用をみなければなりません。ですからある意味では、世爻にある六親が事がらの吉凶を判断する重要な要素になります

用神の取り方
 六爻占術の実践において、最初にふれる問題は用神を取ることです。用神は六爻占術を展開させる鍵です。すべての事象はみな用神を中心として推理していきますから、用神を間違えれば誤った結論がでて占いがはずれてしまいます。ですから占う前に、依頼人に占いの内容や対象などをはっきり答えてもらわないと困ります。もし占いの対象が依頼人のことでなければ、その対象がその人とどんな関係にあるのかを聞く必要があります。そこまで確認して初めて正しい判断ができるのです。
 依頼人が自分の病気、旅行や出張の吉凶、試合の勝負などの占卜できたら、世爻を用神とします。

原神、忌神、仇神

  
用神を生じるものを原神といい、用神を剋するものを忌神といい、原神を剋して忌神を生じるものを仇神といいます。

原神
 用神を生じる原神は、旺盛な状態であればこそ用神を生じる力があるわけですから、月と日の五行と一致したり、月と日に生じられたりしたほうが有利です。原神は発動すれば用神によいことはもちろんですが、原神から変わった変爻は、もしも原神を生じればこれから先もよいといえ、原神を剋せば一時的によいだけで先にいっては凶になるといえます。(変爻が動爻を生じれば回頭生といい、動爻を剋すれば回頭剋といいます)。しかし、いくら原神が助けても用神自身に力がなければ、根のない枯れ木に水をやっても成長しないように、卦全体の吉凶としてよくないのは当然です。

忌神
 忌神は本卦において用神を剋するもので、不利な要素ですから、弱いほうが望ましいです。もし月や日から生気を受けたりすれば凶になります。が、同じ本卦において原神が同時に発動していれば、忌神は原神を生じ、原神が用神を生じるという連続相生になって、凶の力をまぎらわせることができます。しかしこの場合でも、用神自身の盛衰が第一で、もし衰えて根がなければ忌神と原神が同時に発動しても、用神を救うことはできません。

仇神
忌神を生じて原神を剋するのが仇神ですから、忌神と同じく用神に不利な要素で、旺盛で発動していたら、望ましくないです。

動爻と静爻、飛神と伏神

動爻と静爻
 全部表、あるいは全部裏の目が出たとき、発動したと言い、右側にも爻が現われます。その爻を変爻と言います。発動した爻全体を動爻と言い、発動しないものを静爻と言います。
 一般的に動爻のある卦において、動爻は靜爻を生じたり剋したりすることができますが、靜爻は動爻を生じたり剋したりすることはできません。
 動爻のない靜爻ばかりの卦においては、旺盛な爻が弱い爻に作用して生剋が行なわれます。強い人が弱い人を制御するのと同じ理屈です。

飛神と伏神
 得られた卦に用神がない場合があります。これを用神の隠れといいます。隠れた用神は、ある規則に則り、借りてきます。こうして借りてきた用神を伏神と呼び、左側に書きます。伏神の右は飛神と呼びます。
 飛神が伏神を生じる場合と伏神が飛神を剋する場合は吉で、反対に伏神が飛神を生じる場合と飛神が伏神を剋する場合は凶です。

生剋
 五行で生じられる関係があれば吉です。同じ五行は同性五行と言って生じられるのと同じことで、吉です。

暗動
 暗動とは本格版で説明するある法則により、変爻を作らずに、発動と同じ状態になることです。

六親と六神

六親
 父母、官鬼、兄弟、妻財、子孫を、五つしかありませんが六親(りくしん)といいます。

 父母の意味・・結婚、家 雨
 官鬼の意味・・男の恋人 霧、曇り 鬼、仕事
 兄弟の意味・・友達 雲
 妻財の意味・・妻 ガールフレンド 晴れ お金 品物
 子孫の意味・・娘 後輩 気功師 幸せ 晴れ 娯楽 超能力者

六神
 青竜、朱雀、勾陳(こうちん)、とう蛇(とうじゃ)、白虎、玄武を六神(ろくしん)といいます。

 青竜の意味・・美しい・エロチック
 朱雀の意味・・快活・おしゃべり
 勾陳の意味・・ゆっくり
 とう蛇の意味・・心乱れる・不思議が好き
 白虎の意味・・怒りっぽい・色白
 玄武の意味・・エロチック

コインの投げ方

 ふつうは三枚のコイン(できれば丸に四角い孔のあいた古銅線をつかってください)で卦をとります。擲銭法(てきせんほう)とよばれます。
 この方法は、2000年以上前の戦国時代と漢代のあいだに生まれたもので、筮竹から卦をとる方法よりも時間的に短くて簡単にでき、より普及して広くつかわれてきました。
 最初にコインをつかったのは、天・地・人の三元と陰陽との発想からだったのですが、この方法でとった卦で占うとよく当たるということで、六爻占術家に愛用されました。

 ひとつのコインには裏と表があり、それは陰と陽のシンボルです。
 コインの丸い縁は天のシンボルで、真ん中の四角い孔は地のシンボルです。縁と孔のあいだにある部分は肉といって、肉体をもった人間のシンボルです。
 つまり、一枚のコインには天地人の三元がそろっているのです。
 三枚のコインをつかったのは、「道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は万物を生ずる」、という易の宇宙観を示したもので、宇宙のなかのあらゆる事象の変化が、三枚のコインで分かるのです。
 しかし無ければ日本の10円玉でもOKです。
 昔の占卜師は、卦をとる前にかならず体をきれいに洗って焼香し、神さまに願をかけました。しかし六爻占術には、神の存在の認識がありません。
 六爻占術がよく当たるのは、宇宙のすべての情報が時空を超えて存在するという理論(全息論)、および人体磁場とに関係があるからです。
 ですから聞きたいことがあれば、その結果が卦の形であらわれてくるのです。
 一般的にいえば、ひとつの卦に聞かれた情報があらわれるのはもちろんのことですが、六爻占術の達人にとっては、複雑な判断ができるばかりではなく、聞かれた以外の情報まで導きだすことができるのです。

 卦をとる方法とは、まず占いを求める人に三枚のコインをもたせ、両手を合わせてコインが指の隙間から落ちないように上下に振ってもらいます。
 何回か振ってから、無造作に机のように硬くて平たい物のうえに投げてもらい、その表裏をみます。
 表裏を記録してから、コインをもういちど両手のあいだに入れて振ってもらいます。
 このようにして全部で六回なげてひとつの重卦がでます。
 毎回の表裏を記録するとき、一枚が裏で二枚が表なら少陽といい(年号のある面が表)、ひとつの点で表示して「′」と書きます。
 一枚が表で二枚が裏なら少陰といい、ふたつの点で表示して「″」と書きます。
 もし三枚ともみな表なら老陰といい、ばつで示して「×」と書きます。
 もし三枚とも裏ならば老陽といい、丸で示して「○」と書きます。
 卦を記録するときは、下から上へと書いていきます。最初にでた結果は初爻といい、二回目の結果は二爻といい、三回目は三爻、四回目は四爻、五回目は五爻、最後は六爻または上爻といいます。ひとつの卦は六個の爻からなっています。
 老陽と老陰はともに動爻と称し、この爻に変化が起こることを示します。
 陽が陰に、陰が陽に変わるのです。
 変化してでてきた爻は変爻といいます。振ってできた卦は本卦または主卦といい、変化してできた卦は変卦または之卦といいます。

卦ができるまでの手順

1.コインを振ります。
 一言で言いますが、これもすごいと思います。
 コインに情報が乗ってしまうのですから・・

2.コインの目に十二支の割り振り
 そして「納甲の歌」という歌に合わせて、コインの目に十二支を割り振ります。
 これもすごいと思います。歌が出てきて、それに沿って、割り振るのです。
 納甲の歌は、なっこうのうたと読みます。
 トラさんのテキストには「古代より伝わった歌」と書いてあります。

3.世爻、応爻の当てはめ
 コインで出た目の陰陽を下から順に逆にしていきます。
 すると上の三つと下の三つの陰陽の組み合わせが一致する場所があるのです。
 つまり上と下が同じ八卦になるのです。その位置が世爻です。
 そしてそこから三つ離れた位置、すなわち循環で言えば反対側に当たる部分が応爻となります。
 世爻が決まることによって、応爻は自動的に決まります。

4.六親の配置
 2でコインの目に十二支が割り振られると、そこから陰陽五行が出てきます。
 その陰陽五行を元に、六親が割り振られます。
 ですから、子孫が妻財を生じ、官鬼を剋するのは、永久に変わりません。

5.六神の配置
 占った日が旧暦で甲または乙の日なら、上から順に玄武、白虎、とう蛇、勾陳、朱雀、青龍と配置されます。
 丙の日は、青龍が繰り上がり、朱雀が一番下に来ます。
 ですから同じ日に占うと、この順番は全部同じです。
 どこに何の六神来るかは、日によって決まります。
 いつも同じ六神が出る場合は、出る目が変化するのです。

6.発動の場合の陰陽反転
 全部表、あるいは全部裏が出たとき、その陰陽を逆にします。
 これを発動と言い、発動すると変爻を生じます。変爻は右側に書きます。
 さて、変爻とは何でしょうか・・
 変爻とは、再び陰陽を逆転するのです。
2?  つまり出た目そのものの陰陽に戻ります。
 変爻は未来の情報と言われますが、それは目の陰陽では、元に戻っただけなのです。

孫実際の占い

<恋愛編>
◎まず、用神が月日から生じられているか、もしくは同性五行なら吉です。月日の両方から刻されていればその恋愛は難しいです。
◎世爻は応爻を生じればあなたが相手に求愛するか、あなたが相手を好きになります。もし応爻は世爻を生じれば相手があなたに求愛するか相手があなたを好きです。
◎世爻が応爻を剋していると、あなたは相手がとても好きなのです。応爻が世爻を剋していると、相手はあなたをとてもすきなのです。でも剋の関係にあると、好きを通り越して嫉妬に変わったりして、口喧嘩などのトラブルが起こりやすいです。
◎卦に妻財や官鬼がひとつしかなければ吉です。男にとって二つの妻財があれば両手に花です。女性にとって官鬼が二つ現われれば密会君の可能性が高いです。
◎官鬼が妻財のところに隠れれば、相手は一般的に妻持ちで、妻財が官鬼のところに隠れれば相手は亭主持ちです
◎父母は結婚の意味を持ちます。父母が月日から剋されていなければ、結婚する可能性もあります。生じられたり同性五行ならなおさら吉です。結婚までいかなくても、良い関係になります。
◎世爻が忌神なら、その恋愛は波乱です。
◎応爻が発動して、男性の場合には妻財、女性の場合には官鬼に変われば相手は別に好きな人ができたのです。
◎「沐浴の地が出ています」と出れば、既にエッチな関係にあるか、もしくはそういう関係になってもおかしくないことを示しています。
◎「ベッドの爻位にいます」と出れば、沐浴の地と同様に、既にエッチな関係にあるか、もしくはそういう関係になってもおかしくないことを示しています
◎「あなたの墓の地にあります」と出れば、相手はあなたのコントロール下に入りたがっています。相手はあなたに「好きにして」ほしいのです。
◎「あなたは墓の地にあります」と出れば、あなたは相手のコントロールを待っています。相手に「私を好きにして〜」と言いたいのです。
◎「相合の関係にあります」と出れば、相性はとても良いです。

<本人占い編>
 何でも占えます。着ていく洋服が合っているかどうか、髪を切るかどうするか、何でもOKです。二つの場合を振り、良いほうを選ぶと良いと思います。

◎世爻が月日から生じられているか、もしくは同性五行なら吉です。刻されていれば凶です。月日の両方から剋されていると、他の項目を見てもしようがありません。根も無い草木と同じだからです。
◎月日のどちらかから剋されていなければ、原神から生じられているか剋されているかを見ます。
◎生剋の合計値がプラスなら吉です。

<財運占い編>
 株などの場合、特定の銘柄と、占いたい期間を思いながらコインを振ります。

◎用神(妻財)が月日から生じられているか、もしくは同性五行なら吉です。刻されていれば凶です。月日の両方から剋されていると、他の項目を見てもしようがありません。根も無い草木と同じだからです。
◎月日のどちらかから剋されていなければ、原神から生じられているか剋されているかを見ます。
◎生剋の合計値がプラスなら吉です。
◎用神が世爻を剋していると、財運のほうから転がり込みます。
◎用神が世爻を生じていても、財運のほうから転がり込みます。
◎世爻が用神を剋していると、せっかく財運があるのを掴みそこねる可能性があります。
◎世爻が用神を生じていると、財運を得るのに少し努力が必要です。

書き込み期間:2001/05/06〜2001/06/19